ワンステップスクールという存在について


どうも初めまして。
単刀直入に趣旨を述べると、ワンステップスクール(旧称:伊藤学校)のやり方は許容できません。


ワンステップスクールというのは、

喫煙、バイク窃盗、深夜徘徊など荒れた生活を送るようになる。その後も傷害、恐喝などあらゆる悪行を尽くし、高校はわずか1年で退学。

した校長の廣岡政幸さんが、

不登校、非行、引きこもりなど問題を抱える青少年を預かり共同生活を行う

フリースクールとなっています。
(公式ホームページより)

かつての行為を強く反省し二度と繰り返さないよう気持ちを改めているのならば、過去を責めるのは酷というものでしょう。
しかし、実際のところそうではないように思えてしまう出来事が起きています。

この組織が何をやったのか。詳しくは↓のリンクをどうぞ。

(もっとはてブが付き炎上したTogetterもあったのですが消されました) 

追記1
また、この団体は生徒10人が外部の福祉施設へ保護されるという、自己決定権の侵害を巡る問題を発生させていることが、共同通信や神奈川新聞によって報道されております。

追記2
2019年、上記とは別件と見られる新しい問題提起記事も公開されました。
ひきこもり支援施設を脱走した有名私大卒31歳男性 社会復帰しても収まらない怒り (1/6) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

追記3
度重なる追記、申し訳ありません。
2020年10月28日に、ワンステップスクールが提訴されました。

また、それに合わせ、この問題を追っているジャーナリストの執筆した記事がヤフーニュースに載りました。

ワンステップスクールの利用を検討している方は、是非、報道されている現状を考慮して最終的な判断をすることをおすすめします。
 


※これ以降の文章は、2016年にワンステップスクールがTVタックルという番組で肯定的に報道されたこと、およびその報道内で行われていた行為の問題点について言及したものです。
度重なる追記によって読みづらくなってしまいました。申し訳ありません。

暴力が感情のもとに許されるのは法的にも倫理的にもおかしい

ワンステップスクールがTVタックルで報道された映像で行っていたことは、はっきり言ってひどい暴力です。
下記引用で弁護士の方が示しているように、犯罪に該当する可能性も高い。(住居侵入罪や不退去罪、強要/強要未遂罪など)

「TVタックル」のVTRを見た日本羅針盤法律事務所の望月宣武弁護士は、法的な面からもこう指摘する。

「ひきこもり当事者の部屋に強引に押し入る行為は、たとえ家族(親)の同意があっても、住居侵入罪や不退去罪が成立する可能性があります。それは、親が所有する実家暮らしであっても、子どもがひきこもっている部屋には親と共同して管理権があり、親と子どもの両方の承諾を要するので、子どもの承諾がない以上、同様となります。親が所有者であっても、賃貸アパートの大家が賃借人の承諾なしに立ち入れば住居侵入罪が成立することと同じです。

また、ドアをたたき壊しながら怒鳴る行為は、『暴行を用いて、人に義務のないことを行わせようとすること』」であり、刑法223条3項の強要未遂罪に該当します。実際に暴行を用いて、部屋から出てこさせたり、施設に入寮させたりすれば、強要罪の既遂です」

これらは親告罪ではなく、本人の意思に反して繰り広げられていたのだとしたら、要件は成立するという。

「弱者への暴力映像」に対するテレビ朝日からの見解(池上正樹) - 個人 - Yahoo!ニュース


また、厚生労働省が公開している「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン」でも、
・相手が興奮している場合、冷静に対話を続けて落ち着いてもらうべき
・もし対応しきれない事態に陥った場合も暴力で対応すること無く警察へ通報するべき
という旨が記されております。

ですが、ワンステップスクールは、ドアを破壊したり怒鳴ったりするなどこれに反する暴力的言動を取っていました。

そもそも、訪問支援は非常に難しい支援手法であり、重大な弊害が生じる可能性もあるものです。
実行には入念な準備と慎重さが求められます。
また、積み重ねられた当事者との関係性の構築が重要な行為なので、何回も継続的に訪問することになるのが前提とされています。
(同ガイドラインにもその旨が記されております。)

初回訪問だけで解決しようとすることも、とうぜん暴力も、間違っていると言えます。

それに加え、追記1にて紹介した入寮者10名が外部の福祉施設に保護された事件でも、強制的に入寮同意を取る手法の違法性(自己決定権の侵害)が争点となっております。
また、 追記2で紹介した記事からも確認できるように、同種の問題を複数発生させているようです。
それが真実なら看過は出来ません。

ワンステップスクールのこれらの行為には大きな問題があるでしょう。

  

確かに、引きこもりは親を中心に社会に迷惑をかけてしまっている事があります。
また、テレビに出ていた彼はかつて親に暴力を振るった過去があったようです。それは問題でしょう。

けれども、それを理由に私刑を行っていいことにはならない。
この国は法治国家です。
もし暴力が振るわれたのなら、するべきは警察への通報、自治体や支援団体への相談です。
決して暴力を用いた"説得"ではありません。
(また、一応言及しておきますが、攻撃的な引きこもりというのは一部の例でしかない事もお忘れなく。)

 

そもそも、引きこもりがどうして引きこもりになったのか、なぜ引きこもりから脱却できないのか。
そこを解決しなければ何も始まりません。
そして、解決には「なぜこうなったか」の背景を理解することが必要です。
引きこもりが"悪"だ、なんて安っぽいテレビ的演出のような構造では無いのです。

暴力をもって拉致・軟禁し、強制的に共同生活を営ませようとする。
法的にも、精神医学的にも、もちろん倫理的にも間違っています。
必要なのは医学を始めとした適切なアプローチであって、決して暴力ではない。
これは長田塾、アイ・メンタルスクールの再来かもしれない。
(参考本:引きこもり狩り―アイ・メンタルスクール寮生死亡事件/長田塾裁判)


また、問題の番組内ではワンステップスクール及びテレビ局が引きこもりの姿を許可を得て撮影していたようには見えませんでした。肖像権はどうなっているのでしょう。
ワンステップスクールは治療対象であるはずの患者をテレビ局に売り渡し、激しく傷つけたも同然です。
この行為で誰がどう(長期的に)救われるのですか?
まともな組織が、"支援"対象を晒しあげて見世物にするなんて不誠実な行為をすると思いますか?

そもそも、テレビカメラの監視があるのにこれだけ酷い行いをしているとは、普段はどれだけ凄まじい手法を使っているのでしょうか……
これらの行動は悪質で、とうてい肯定的にテレビ放映して良いものではないと考えられます。

人間として

番組映像を見られた方ならば理解して頂けると思いますが、彼らの暴力行為同様に、引きこもりに向けられた言葉も対象を傷つけるものばかりです。
罵倒、あてこすり等、相手を人間として尊重する姿勢が無い。

彼らが見せた行為は、一方的な『善意』の押し付けとなっています。

これを『支援』と呼ぶことには独善を感じてしまいます。
歪んだパターナリズムとしか言いようがありません。

一切学費について触れない公式サイト

今回の件とは関係ありませんが、私は以前ひょんなことからワンステップスクールの存在を知りました。
なので当時公式ホームページで調べてみました。
そしたら、いくら探しても費用(学費)が一切書いてなかったんです。
(この記事を書くためもう一度調べましたがやはり書いてない)

流石に面食らいましたね。
費用について一切触れないってどういうことなのでしょうか。
私の通っていた学校はちゃんとQ&Aの欄にしっかり学費について書いてありましたよ。

あの戸塚ヨットスクール(Wikipedia)ですら学費は説明しています(因みに非常に高いです)。

場合によって金額が違うなら、上限や下限、参考金額などを載せても良いはず。
隠さねばならない理由がある、と邪推してしまいます。

社会には弱者を食い物にする貧困ビジネス(Wikipedia)のような問題が存在しており、そういった危険性の面からも意識すべき事柄でしょう。

 

もしワンステップスクールが来たら当事者はどうすれば良いか

問題提起を行っている精神科医斎藤環氏のTwitterより埋め込み。

追記
かつて伊藤学校に居た、という2人の方の告発Twitterアカウントを載せておきます。
@U05kPNSZYk4kPk9
@yakitubu3

 

最後に

なかなか感情のこもった記事になってしまいました。
意見があれば是非コメント欄に書き込んで頂けると幸いです。
また、同意して頂けたら拡散もお願いしたいです。

あと最後に。
私はこの集団を快く思っていないので、私の言葉を鵜呑みにせず自分でも調べてみてください

それでどう思うかはあなた次第です。

また、私は以前に別所でも批判記事を公開していたのですが、特に権利を侵害していないのにも関わらず権利侵害申告がなされ、記事が非公開にされてしまいました。
画像は使っておらず、文章もこの記事で行ったものとほぼ同じ内容を軽く引用したくらいなので、私が著作権を犯してしまっていたとは考えられません。中傷にあたると言うのでしょうか。
(その報告メールが何故か届かず異議を申し立てられなかったので、ブログ運営により機械的に処理が行われてしまいました。これは警戒を怠っていた私の責任になってしまうのでしょう……)


これらの行為は不誠実でしょう。